■家族関係が複雑な場合

 先妻(先夫)の子どもがいる場合や、認知している

 愛人の 子どもがいる場合など、家族関係が複雑な

 場合には、トラブルが生じるおそれがあるので、遺

 言を残しておきたいものです。

 

 また、内縁関係の配偶者や、家族への気兼ねなどか

 ら生前には認 知できなかった子どもには相続権は

 ありませんが、遺言することで、財産を分けてあげ

 ること(遺贈)ができます。遺言書で認知していな

 い子どもを認知する、死後認知もできます。死後認

 知をすれば、その子どもにも相続権が生じます。

 

■家業のスムーズな継承を望む場合

 商店や個人企業、あるいは農業を営んでいて、後継

 者にしたい人がいる場合も、遺言で後継者を指定し

 ておくとよいでしょう。

 

 遺言がないと、法定相続や協議により、経営の基盤

 となる土地や 店舗、社屋、工場、経営会社の株式、

 農地などが分散されてしまい、経営を続けることが

 困難にになってしまうこともあります。

 経営に関わる財産は、遺言で後継者にしたい人に遺

 しておくようにしておけば、こうした心配はなくな

 ります。

   また、家業に貢献した人には寄与分の制度があります。

 財産の維持増加にどのくらい寄与したかを具体的に書

 き残しておけば、立証しやすくなります。

 

■財産を与えたい人がいる場合

 相続権はないが、世話になったので遺産を分けてあげ

 たいと思う人がいる場合も、遺言書は有効です。

 また、相続権のない子どもの嫁や孫、兄弟姉妹などの

 親戚などの親族がいる場合も同様です。

 

■特定の相続人に多く財産を与えたいとき

 遺言がなければ、法定相続になることがほとんどです。

 特に、生前良くしてくれた相続人に、他の相続人より

 も多く財産を残してあげたいときには、その人の相続

 分を遺言ではっきり指定しておきます。