遺言書
遺言者柏太郎は、本遺言書により次のとおり遺言
する。
1.遺言者の長男 柏一郎は独立し、裕福とは言え
ないまでも人並みの生活を送っている。また長
女 松戸春子も良き夫に恵まれ安定した生活を
過ごしている。ここで遺言者が心配するのは、
遺言者の妻 柏花子のことである。
妻 柏花子は、苦しい時代にひたすら遺言者を
支え続け、そして、子どもたち2人を立派に育て
上げてくれた。その妻 柏花子に、私の亡き後も
、ゆとりを持って最後の人生を憂いなく暮らして
もらいたい。
よって、遺言者は、妻 柏花子に財産の全部を単
独相続させる。
子どもたち2人は遺留分の減殺請求をせず、お母
さんの幸せを温かく見守ってほしい。
2.本遺言者の遺言執行者として次の者を指定する。
住所 千葉県□□市□□町□丁目□番□号
行政書士 □□□□
平成○○年○月○日
千葉県○○市○○町○○番○号
遺言者 柏太郎 印
【解説】
相続人として妻と子がいる場合、妻には2分1の法定
相続分があります。ただ、子どもたちが将来しっかり
と母親の面倒をみてくれるのかといった心配もありま
す。こうしたときには、遺言によって配偶者に全財産
を相続させることもできます。
但し、子どもたちにも遺留分があるので、遺留分減殺
請求をされた場合には、全財産を相続した配偶者はそ
の分を返さなければなりません。
ただ、夫の財産形成には妻も大きく貢献していますし
、妻が相続した財産もやがては子どもたちに相続され
るものです。
子どもたちへの希望として、遺留分の主張をしないよ
うに書きそえることもできます。
<法定相続分> <指定相続分>
妻 2分の1 1
長男 4分の1 0
長女 4分の1 0